研究部会連合発表会優秀講演賞(2015年)

日本応用数理学会では、研究部会連合発表会の講演登壇者から優れた発表をした方を、「研究部会連合発表会優秀講演賞」受賞者として表彰しています。
2015年は、以下の方が受賞されました(敬称略、50音順)。
表彰式は、総会において行われます。

受賞者 受賞講演について
星 健夫(ほし たけお)

(鳥取大学大学院工学研究科機械宇宙工学専攻)

[講演題目]
  
厳密な物理的保存則を持つクリロフ部分空間解法の構築

[講演概要]
  
発表者らは京コンピュータ上の超並列量子物質(電子状態)計算を対象として、大行列一般化固有値問題解法に取り組んでいる。そこでは、固有対を陽に計算する代わりに、クリロフ部分空間法をもちいて射影された物理量を計算する。一般に部分空間内の解は近似解であるが、本講演では、(エネルギー軸上の)物理的保存則を厳密に満たす解法が構築できることが代数的に示され、量子物質計算での数値例が提示された。

丸野 健一(まるの けんいち)

(早稲田大学理工学術院基幹理工学部応用数理学科)

[講演題目]
  
渦糸方程式の自己適合移動格子スキーム

[講演概要]
  
発表者を含む研究グループは、あるクラスに属するソリトン方程式の解の構造を保つ離散化を行うことにより、大変形問題のための数値計算法「自己適合移動格子スキーム」を提案したが、その適用範囲は2次元(平面)問題に限られていた。
本講演では3次元空間問題へ適用範囲を拡大する試みとして、渦糸問題に対する自己適合移動格子スキームの構築法を示した。
また、数値実験を行い、数値計算法として有効であることを示した。