[他組織イベント] 「有限時間特異性」勉強会第4回

日程: 2021年11月11日(木)14:00-16:00 (延長の可能性あり、最長17:00まで)
投稿者: 松江 要 (九州大学IMI / I2CNER)
会場: Zoom (オンライン開催)
概要: 流体力学における有限時間特異性につき、京都大学の坂上貴之先生に話題提供いただきます。

参加について:
参加登録は下記のURLにて受け付けております。 登録後、当日の勉強会用のZoomミーティングURLが自動送信されるようになっております。
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZMkce6tqD4rHdAZwFtc1nq4Yfo20gehMlYv

講演題目: 流体方程式に現れる有限時間爆発解
講演者: 坂上 貴之 氏(京都大学 大学院理学研究科 教授)
講演概要:
三次元Navier-Stokes方程式の解の大域存在は有名な数学的難問であるが,これはこの方程式に特異な解が存在するかという問いでもある.また,こうした流体方程式に現れる特異な解の研究は単に数学的な問題だけでなく,乱流や乱流に至る過程をなどの流体現象を理解する上での重要な情報をもたらしてくれる.本講演では,私がこれまでに行ってき二つのトピックについて,流体運動における特異解について紹介することを目的とする.
一つ目のトピックは,二次元のオイラー方程式を考え,その速度の回転成分として表現される渦度が特異な領域に閉じ込められてできる点渦(局在渦構造のモデル)や渦層(せん断流のモデル)といった渦領域の特異解に関する話題を提供する.点渦方程式には有限時間で一点の衝突する特異解の存在が知られており,この特異解と二次元乱流の満たすべき性質の関係について得た成果について紹介する.渦層の運動を記述するBirkhoff-Rott方程式には有限時間で渦層の曲率が発散する特異解の存在が指摘されており,この特異解がせん断流の複雑化のきっかけを与えていることについて触れる.
二つ目のトピックは,三次元のナヴィエストークス方程式の非線型項のバランスをモデル化した1次元偏微分方程式(一般化Constantin-Lax-Majda-DeGregorio方程式)に現れる特異解とその方程式の作る(波動)乱流との関係について紹介する.

問い合わせ先:
松江 要
e-mail kmatsue@imi.kyushu-u.ac.jp

詳細 web
https://sites.google.com/view/finite-time-singularity-jp2021/